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大阪地方裁判所 平成8年(ワ)2175号 判決

原告

株式会社福岡銀行

右代表者代表取締役

佃亮二

右訴訟代理人弁護士

立石六男

被告

更生会社第一紡績株式会社管財人

今中利昭

原栄

右両名訴訟代理人弁護士

吉村洋

浦田和栄

右両名訴訟復代理人弁護士

田辺保雄

主文

一  原告の請求を棄却する。

二  大阪地方裁判所が、被告らを申立人、原告および福銀不動産管理株式会社を被申立人とする同裁判所平成七年(モ)第二五〇四八号否認請求事件について平成八年一月三一日にした決定中、原告に関する部分を認可する。

三  訴訟費用は原告の負担とする。

四  右二項記載の決定の主文一項に「平成四年二月五日」とあるのを「平成五年二月一九日」と、主文二項に「平成四年二月一九日」とあるのを「平成五年二月五日」とそれぞれ更正する。

事実及び理由

第一  当事者の求めた裁判

一  請求の趣旨

1  大阪地方裁判所が、被告らを申立人、原告及び福銀不動産管理株式会社を被申立人とする同裁判所平成七年(モ)第二五〇四八号否認請求事件について平成八年一月三一日にした決定(以下「原決定」という。)中、原告に関する部分を取り消す。

2  被告らの否認請求を棄却する。

3  訴訟費用は被告らの負担とする。

二  請求の趣旨に対する答弁

主文一ないし三項同旨

第二  事案の概要

一  事案の要旨

本件は、原告が、被告らの申し立てた否認の請求(会社更生法八二条)を認容した原決定中の原告に関する部分は不当である旨主張して、その取消しを求めた異議の訴え(会社更生法八五条)である。

二  前提となる事実

1  第一紡績株式会社(以下「更生会社」という。)は、平成四年一〇月一五日、大阪地方裁判所に対し、会社更生手続開始の申立てをし(大阪地方裁判所平成四年ミ第三号事件)、大阪地方裁判所は、平成五年二月二六日午前一〇時、更生会社につき更生手続開始決定をし、被告らを更生会社の管財人に選任した〈省略〉。

また、大阪地方裁判所は、平成四年一〇月一六日、被告今中利昭を更生会社の保全管理人に選任した〈省略〉。

2(一)  更生会社は、昭和六三年五月一七日、福銀不動産管理株式会社(以下「福銀不動産」という。)との間で、更生会社が福銀不動産から、大阪市東区(現在中央区)備後町四丁目二八番地所在の鉄骨鉄筋コンクリート造地下二階付一〇階建物(KFセンタービルディング)の二階部分630.43平方メートル(以下「本件建物」という。)を、賃料月額四一七万六五九八円、期間を昭和六五年二月二八日まで(ただし、期間満了の六か月までに契約当事者双方から異議がないときは一年間契約を更新し、その後の期間満了についても同様とする旨の特約がある。)と定めて賃借する旨の契約を締結した(以下「本件賃貸借契約」という。)〈省略〉。

(二)  更生会社は、平成四年四月二四日現在、福銀不動産に対し、本件賃貸借契約に基づき、敷金として六三四三万三八六〇円を交付していた(この敷金を以下「本件敷金」という。)〈省略〉。

3  更生会社は、昭和六三年五月一七日、福銀不動産に対し、本件賃貸借契約に伴う保証金の名目で一億二五二九万七九六二円を貸し付けた。その際、更生会社と福銀不動産は、返済方法について、昭和七三年(平成一〇年)六月一日から一〇年間にわたり、毎年右貸付金の一〇分の一を四月三〇日及び一〇月三一日に半分に分割して支払い、利息について平成一〇年五月三一日までは発生しないものとし、同年六月一日以降は、元金残額に対し、年1.8パーセントの割合(年三六五日の日割計算)で右分割金と同時に支払う旨合意した(更生会社の福銀不動産に対するこの貸付金を、以下「本件保証金」という。)〈省略〉。

4  原告は、平成四年七月一五日ころ、更生会社に対し、弁済期を平成四年八月一七日と定めて、二億九〇〇〇万円を手形貸付の方法で貸し付けた(この貸付金債権を、以下「本件貸付金債権」という。)〈省略〉。

5  更生会社は、平成四年七月一七日、原告との間で、更生会社が、原告に対する現在及び将来の一切の債務の担保とするために、更生会社の福銀不動産に対する本件敷金の返還請求権及び本件保証金の返還請求権に質権を設定する旨の契約を締結し〔本件敷金の返還請求権について設定された質権〈省略〉を以下「本件一質権」と本件保証金の返還請求権について設定された質権〈省略〉を以下「本件二質権」といい、両者をあわせて「本件各質権」という。〕、福銀不動産は、同月二一日、本件各質権の設定を承諾した〈省略〉。

6(一)  福銀不動産は、平成五年二月三日ころ、更生会社の保全管理人今中利昭(以下「保全管理人」という。)に対し、本件保証金について、期限の利益を放棄する旨の意志表示をした〈省略〉。

(二)  原告は、平成五年二月五日、本件二質権を実行し、福銀不動産から、本件保証金全額を取り立てた上、本件貸付金債権の弁済に充当した〈省略〉。

7(一)  更生会社は、福銀不動産に対し、平成四年七月四日ころ、本件賃貸借契約を同年一二月三一日をもって解約し、本件建物を明け渡す旨の意思表示をした〈省略〉。

(二)  保全管理人は、平成四年一二月一一日、福銀不動産に対し、本件建物の明渡期日を平成五年二月七日に延長することを申し入れ、福銀不動産は、平成四年一二月二二日ころ、これを承諾した〈省略〉。

(三)  保全管理人は、平成五年二月七日、福銀不動産に対し、本件建物を明け渡した〈省略〉。

(四)  福銀不動産は、平成五年二月一九日ころ、保全管理人に対し、平成五年二月分の未払賃料等合計一六二万四四六一円と本件敷金とを対当額で相殺する旨の意思表示をした〈省略〉。

(五)  原告は、平成五年二月一九日、本件一質権を実行し、福銀不動産から、本件敷金残額六一八〇万九三九九円を取り立てた上、本件貸付金債権の弁済に充当した〈省略〉。

8  被告らは、平成七年二月二四日、大阪地方裁判所に対して、原告の本件各質権の実行は、会社更生法七八条一項二号、八一条に該当する行為であるとして、同法八二条により、原告及び福銀不動産を被申立人として、否認の請求をした〈省略〉。

9  大阪地方裁判所は、被告らの否認の請求に対し、平成八年一月三一日、原決定をしたが、その主文は別紙決定主文のとおりである〈省略〉。

三  争点

1  原告の本件各質権の実行行為は、会社更生法七八条一項二号、八一条後段に該当する否認の対象となる行為であるといえるか。

(一) 原告の主張

(1) 会社更生法七八条一項は、否認の対象となる行為を「会社がした行為」に限定している。これは、行為の安定性を確保すべく否認の対象となる行為を限定し、その範囲を明確にした趣旨に出たものである。

(2) 会社更生法八一条後段は、執行行為に基づく行為も否認の対象となり得る旨規定しているが、これは否認の対象を会社の行為とする同法七八条一項の例外を執行行為に基づく行為に限って特に認める趣旨に出たものであり、創設的な内容であるから、限定して解釈すべきである。すなわち、同法八一条にいう執行行為とは、執行機関の行為としてなされる強制執行及び担保権の実行としての競売等を指すものと解すべきである。

(3) 原告は、本件各質権の目的たる債権(更生会社の福銀不動産に対する本件敷金の返還請求権及び本件保証金の返還請求権)を直接取り立てる方法で本件各質権を実行したものであるから、原告の本件各質権の実行には、更生会社の関与は全くない。また、本件質権の実行が、強制執行によってなされたものでも担保権の実行としての競売等によってなされたものでもないことは明らかである。したがって、原告の本件各質権の実行行為は、否認の対象とならないというべきである。

(二) 被告らの主張

会社更生法は、八一条に定めるとおり、当然には会社の行為とはいえない執行行為も否認の対象たり得ることを認めているのであるから、否認の対象となる行為を会社が主体の行為に限定して解釈すべきではない。

なお、同法八一条については、これによって、会社以外の者による行為について否認権行使ができることを創設的に定めた規定であると解すべきではなく、同条に定める事項について注意的あるいは確認的に規定したものである。

2  原告に会社更生法七八条一項二号ただし書所定の主観的要件が存在したといえるか。

(一) 原告の主張

保全管理人は、原告を含む更生会社に対する債権者に、平成五年二月一日付の「有価証券担保に関する御通知」と題する書面(以下「本件通知」という。)をもって、「有価証券の担保を有する金融機関のいくつかがすでに譲渡担保権を実行している状態が発生しています。」「大阪地方裁判所第六民事部会社更生係とも協議の結果、」「各金融機関等の間の不均衡を防止するためには更生手続開始決定までの間に処分の実行がなされる以外に方法がないものと考えております。」旨の通知をした。そして、実際にも、会社更生手続開始の申立て後、更生手続開始決定までの間に、約七行の金融機関が更生会社に対して有する有価証券についての担保権の実行をしたが、これらの行為は否認されていない。

原告の更生会社に対する本件各質権も、金融機関の譲渡担保権と同じ性質のものであり、原告が本件各質権の実行行為を控えることは、却って他の担保権者との関係で不公平な結果となるので、原告も保全管理人の本件通知による承諾の下に本件各質権を実行したものである。したがって、原告は悪意ではなかった。

(二) 被告らの主張

会社更生法七八条一項二号ただし書は、同号本文の行為を否認することのできる要件として、受益者が、右行為の当時、支払の停止等のあったこと又は更生債権者等を害する事実を知っていたことを要求しているが、原告は、本件各質権を実行した当時、更生手続開始の申立てがあった事実を知っており、また、本件各質権の実行により会社財産が減少することを知っていたのであるから、更生債権者等を害する事実をも知っていたといえる。したがって、右要件は充足されている。

3  被告らが原告の本件各質権の実行行為を否認することは、権利の濫用であるといえるか。

(一) 原告の主張

前記2(一)記載のとおり、保全管理人が、大阪地方裁判所第六民事部会社更生係とも協議の結果、各金融機関の間の均衡を図るためとして、各金融機関による譲渡担保権の実行を容認するかのような通知をし、これを受けて、原告以外の七行の金融機関が有価証券に対する譲渡担保権を実行したにもかかわらず、これらに対しては否認権を行使せずにおきながら、原告の本件各質権の実行行為に対し否認権を行使するのは、有価証券に対する譲渡担保権も本件各質権も同じ性質であることに鑑みれば、公平及び平等の理念に背き、権利の濫用として許されないというべきである。

(二) 被告らの主張

原告の権利濫用の主張は争う。

4  原決定の主文には、原決定を取り消さなければならないほどの重大な誤りがあるといえるか。

(一) 原告の主張

原告は、本件一質権を平成四年二月五日に実行したことはなく、また本件二質権を平成四年二月一九日に実行したこともない。したがって、右各質権の右年月日における実行行為を否認する原決定主文一項及び二項には重大な誤りがある。原決定は、右誤りにより支離滅裂となっているので、これを取り消すべきである。

(二) 被告らの主張

原決定主文一項及び二項には誤謬があるものの、これは誤記であることが明白であるから、更生決定をすれば足りる。右誤謬は、原決定の取消理由となるものではない。

第三  証拠関係

〈省略〉

第四  当裁判所の判断

一  争点1について

1  会社更生法七八条一項二号は、会社が更生手続開始の申立てのあった後にした債務の消滅に関する行為を否認の対象となる行為として規定している。しかるに、原告は、更生会社について更生手続開始の申立てがなされた後、本件各質権の目的たる債権(更生会社の福銀不動産に対する本件敷金の返還請求権及び本件保証金の返還請求権)を直接取り立てる方法で本件各質権を実行し、本件貸付金債権の弁済に充当したものであるから、原告の本件各質権の実行行為は、「更生会社の債務の消滅に関する行為」であるとはいえるものの、「更生会社のした行為」であるとはいえない。そこで、このような原告の本件各質権の実行行為が否認の対象となる行為といえるか否かにつき、以下検討する。

2(一) 会社更生法八一条後段は、「否認しようとする行為が執行行為に基づくものであるとき」でも否認権を行使することを妨げない旨規定しているところ、執行行為とは、執行機関の行為としてなされる強制執行及び担保権の実行としての競売等をいうと解される。

(二) 右規定の趣旨については、執行行為が当然には会社の行為であるとはいえないことに鑑み、会社更生法七八条一項所定の否認の対象となる行為の中に、「会社のした行為」とはいえないものも含まれることを前提とし、執行行為につき注意的、確認的に規定したものであるとの見解と、会社更生法七八条一項所定の否認の対象となる行為は、「会社のした行為」に限られることを前提とし、特に例外として執行行為については否認の余地を認めたものであるとする見解がある。

(三) 前者の見解に立つと、原告の本件各質権の実行行為は、会社更生法七八条一項二号本文に該当する否認の対象となる行為といえる。また、後者の見解に立っても、原告の本件各質権の実行行為は否認の対象となる行為であると解される。けだし、債権を目的とする質権の実行の方法は、直接取立ての方法(民法三六七条)と民事執行法の定める担保権の実行による方法(民事執行法一九三条)に限られるところ、民事執行法の定める担保権の実行による方法によって質権が実行される場合には、その執行行為は会社更生法八一条後段により、否認の対象となるのに、直接取立ての方法によって質権が実行される場合には、執行機関の行為としてなされる担保権の実行としての競売等(執行行為)ではないことを理由に、これが否認の対象とならないと解すると、両者の間で著しく均衡を失する不合理な結果を招来することになる。この点に鑑みると、直接取立ての方法によって質権が実行される場合の質権実行行為も、会社更生法八一条後段を類推適用して、執行行為に準じて否認の対象となる行為に含まれると解すべきである。

二  争点2について

1  会社更生法七八条一項二号ただし書は、否認権行使の主観的要件として、当該行為によって「利益を受けた者がその行為の当時支払の停止等のあったこと又は更生債権者等を害する事実を知っていた」ことを要求しているところ、同号本文により、会社更生手続開始の申立ても「支払の停止等」の中に含まれるから、当該行為によって利益を受ける者が、会社更生手続開始の申立てがあったことを認識していることによって右要件が充たされることは、文理上明らかである。

2  証拠〈省略〉によると、原告が、平成四年一〇月一五日の時点で、更生会社が同日付けで大阪地方裁判所に対し、更生手続開始の申立てをする予定であることを知っていたこと、また、遅くとも、同年一二月一一日までには、更生会社が実際に会社更生手続開始の申立てをしたことを知ったことを認めることができる。したがって、原告は、本件各質権を実行した平成五年二月五日及び平成五年二月一九日の時点で、右申立てがあったことを認識していたことは明らかである。

そうすると、原告による本件各質権の実行について、会社更生法七八条一項二号ただし書の要求する主観的要件は充足されていたといわざるを得ない。

3  本件通知がなされたことを理由として悪意がなかったとする原告の主張は、本件各質権の実行時に、原告が、更生会社について会社更生手続開始の申立てがあったことを認識していたという前記主観的要件に何らの影響も及ぼすものではないから、検討の必要はない。

三  争点3について

1  証拠〈省略〉に弁論の全趣旨を総合すると、更生会社は、更生手続開始の申立てをした当時、原告を含む複数の金融機関に対し、更生会社の各金融機関に対する債務を担保するため、更生会社所有の株券に譲渡担保権を設定していたこと、更生手続開始の申立てがなされた後、一部の金融機関が右譲渡担保権を実行したこと、そのため、右譲渡担保権の実行を差し控えていた金融機関からも、保全管理人に対し、右譲渡担保権の実行の可否についての問い合わせがあったこと、そこで、保全管理人は、譲渡担保権の実行が否認の対象となるか否かについては解釈上争いのあるところであることや同種の株券につき譲渡担保権を有する各金融機関の間で、譲渡担保権の実行につき不均衡が生じることは、各金融機関の間の公平の面からしても、また、更生会社の再建に向けて将来各金融機関の協力を得る必要があるという面からしても避けるべきであることなどを考慮し、原告を含む更生会社に対する債権者に対し、本件通知をもって、「有価証券の担保を有する金融機関のいくつかがすでに譲渡担保権を実行している状態が発生しています。」「大阪地方裁判所第六民事部会社更生係とも協議の結果、」「各金融機関等の間の不均衡を防止するためには更生手続開始決定までの間に処分の実行がなされる以外に方法がないものと考えております。」旨の通知をしたこと、右通知を受けて、原告を含む複数の金融機関が、株券についての譲渡担保権を実行したこと、被告らは、更生会社の更生手続において、原告の本件各質権の実行行為以外については否認の請求をしていないことを認めることができる。

2  右認定したところによると、被告らは、原告を含む複数の金融機関のした株券についての譲渡担保権の実行行為については否認権の行使をしないで、原告のした本件各質権の実行行為のみにつき否認権の行使をしていることになる。しかしながら、会社更生手続が会社の再建を目的とする手続であることに鑑みると、管財人は、否認の対象となり得る行為につき否認権を行使すべきか否かについては、当該行為につき否認権を行使することによって生ずる利害得失を総合的に勘案して、裁量的に判断することができるというべきであるから(右1の認定事実によると、被告らは、各金融機関の株券ついての譲渡担保権の実行行為については、既に各金融機関の間で公平な取扱いがなされていること等を考慮して、否認権を行使するまでもないと判断していることが窺える。)、右の事情があっても、原告の本件各質権の実行行為に対する被告らの否認権の行使が権利の濫用にあたるとはいえない。

四  争点4について

1  前記第二の二6、7のとおり、原告が本件一質権〈省略〉を実行したのは平成五年二月一九日であり、原告が本件二質権〈省略〉を実行したのは同月五日であるから、原決定主文一項中「平成四年二月五日」とあるのは「平成五年二月一九日」の、同二項中「平成四年二月一九日」とあるのは「平成五年二月五日」の明白な誤りであるといえる。

2  決定に明白な誤謬がある場合には、更生決定をすることができるのであるから(民訴法二〇七条、一九四条一項)、原決定に右誤りがあることは、原決定を取り消す理由とはならない。

3  当裁判所は、職権により、本判決の主文において、右明白な誤りを更正することとする。

五  結論

以上によると、原告の請求は理由がないからこれを棄却し、否認の請求を認容した原決定中原告に関する部分は正当であるからこれを認可し、訴訟費用の負担につき、会社更生法八条、民訴法八九条を適用し、前記のとおり原決定の明白な誤りを更正することとして、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官谷口幸博 裁判官大野正男 裁判官武田瑞佳)

別紙決定主文

一 被申立人株式会社福岡銀行が、別紙質権目録一記載の債権質権について、平成四年二月五日になした実行行為を否認する。

二 被申立人株式会社福岡銀行が、別紙質権目録二記載の債権質権について、平成四年二月一九日になした実行行為を否認する。

三 被申立人株式会社福岡銀行は、申立人らに対し、金一億八七一〇万七三六一円を支払え。

四 被申立人福銀不動産管理株式会社に対し供託を求める請求を却下する。

五 申立費用は、申立人らに生じた費用の二分の一と被申立人株式会社福岡銀行に生じた費用を同被申立人の負担とし、申立人らに生じたその余の費用と被申立人福銀不動産管理株式会社に生じた費用を申立人らの負担とする。

別紙質権目録〈省略〉

別紙物件目録〈省略〉

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